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2018年8月◯◯日 玉蜀黍

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夏は行きつ戻りつしながら、秋の裾を引っ張ったり放したりしている。
出来そこないのような入道雲が山の峰に湧き、その上には秋を思わせる千切ったような雲が流れている。
あぁ、もうすぐ夏は行ってしまうのだなぁ。


「ママ、またまたくまさんのラブレターですね~」たみちゃんは玉蜀黍の入った段ボール箱を覗き込みながら言った。
「甘い玉蜀黍です。お店で使ってください」というメモと一緒に、久田さんから白と黄色の北海道の玉蜀黍がどっさりと届いた。
「もうそんなこと言ってないで、がんちゃんの所におすそ分けしてきてちょうだい。子供さんにどうぞって言ってね」


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私はいつまでも久田さんの好意に甘えていてもいいのだろうかと思うのだけれど、告白をされたわけでもないのに何と言っていいか分からずにいた。
ひろに対するほとばしるような情熱とは異なり、久田さんと話をしているといつも日向の木漏れ日に包まれているような優しい気持ちになれる。
けれど、それは恋と呼ぶには穏やかすぎる感情だった。

「ママ、玉蜀黍渡したら焼き鳥もらっちゃいました~」と言って、たみちゃんは熱々の焼き鳥を差し出した。
「じゃぁ、今日のまかないはそれにしようか。熱いうちにいただきたいもんね」
「そうですよね~、ママ玉蜀黍も食べたいです~」
玉蜀黍は皮のままグリラーで蒸し焼きにすると美味しいけれど、今は時間がないのでレンジで。
レンジでチンしたものにお醤油を塗ってさっと炙る。


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「たみちゃん、お結びを作るわね」
お結びの具は炙ったからすみ、糠漬けを添える。
「ママ、美味しくて食べすぎちゃいますね」
去年のからすみがまだ沢山冷凍庫に入っているので、そろそろ使ってしまわなければ、あと2ヶ月ちょっとでボラの卵が出回るようになる。


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暖簾を出してすぐ若い女性が二人で入って来られた。
「まだ暑いですねぇ。何か口当たりのいいものをいただきたいなぁ」と仰ったので冷たく冷しておいた白い玉蜀黍の摺り流しをお出しする。
いしおかさんに倣って、私も昆布と玉蜀黍の芯だけでお出汁をとる。
好みで塩、他には何も入れない。
摺り流しを濾したあとのカスはツルムラサキと和える。
締めのご飯は黄色の玉蜀黍と椎茸の甘辛煮で散らし寿司。


今日のひと品。

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ツルムラサキの玉蜀黍のかす和え

材料
玉蜀黍のかす 1本分
塩麹     小匙1
ツルムラサキ 1束

・ツルムラサキはさっと茹でておく。
・裏漉しをした摺り流しの玉蜀黍のかすに塩麹をまぜる。
・ツルムラサキと和える。


以前の久田さんの話


玉蜀黍の摺り流しの詳細はMchappykun2さんのブログで↓




syunのひとりごと。
たくさんの玉蜀黍は札幌のお友達からいただきました。
ごちそうさまでした。











Commented by Mchappykun2 at 2018-08-31 22:42
リンクありがとうございます。
トウモロコシをすりつぶした後のカスで一品作るアイディア、すごいです!そこまでは考えなかったです。徹底的に食材を無駄にしないのですね。今度作ってみます。
北海道の玉蜀黍は美味しいですよね。
Commented by hitoshi-kobayashi at 2018-08-31 22:49
私は、トウモロコシが嫌いではないのですが、たいていの料理はトウモロコシの風味が強く、勝ってしまうような気がします。
トウモロコシは他の食材と仲良くするのが難しいと思うのですが・・・・
Commented by syun368 at 2018-08-31 23:04
Mchappykunさん
無断でリンク貼らせていただきました〜
こちらこそありがとうございます。
裏漉しをしたかすを食べてみると、まだ美味しさが残っていて勿体ないので和えてみました。

北海道は寒暖の差があるので玉蜀黍が甘くて美味しいのですよね。
Commented by syun368 at 2018-08-31 23:10
hitoshiさん
我が家のリアルな夫も玉蜀黍はおやつだと言い張ってます(^^)
なので、hitoshiさんの仰ること良く分かりますよ〜
私も先ずは生で齧って、蒸し焼きで齧って…
食べきれないほど沢山頂いたので、色々試してみました。
お寿司は以前ある料理旅館でいただいた小袖寿司がヒント、和え物は裏漉しをしてほど良く玉蜀黍の旨味が抜けていましたので、塩糀と馴染んでくれたかな…と思います。
Commented by fusk-en25 at 2018-08-31 23:18
なんて贅沢な賄いのおむすび。。
ちょっとずるいなあ。。と思えるぐらいでした。笑。

とうもろこしは焼いたものを売っています。
普通にはフランス人は食べないで
全部オイルになってしまうようですが。。
お寿司は。。真似します。
Commented by syun368 at 2018-08-31 23:53
fusk-enさん
うふっ からすみお結び 美味しいです〜
11月になると またボラの卵が出始めてからすみの仕込みが始まるので、せっせと消費しています(^^)

散らし寿司、少し甘くてお子ちゃま寿司のようですが、私は結構好きなんです。
お試しください。
Commented by africaj at 2018-09-01 08:52
あ、私も新もののボラの卵が出るまでに、からすみ食べてしまわねばw

「夏が秋の裾を引っ張ったり離したりしている」「出来損ないの入道雲」良いですねーこの表現。メモしてしまいました。
Commented by thesakana at 2018-09-01 13:48
「夏が秋の裾を引っ張ったり離したりしている」
田中 眞紀子と小泉純一郎の話をお洒落に表現するとこうなるのですww
Commented by syun368 at 2018-09-01 16:01
africaさん
早いですよね。
今月の終わりには筋子、11月には鰡の卵、そして今年も暮れてゆく…(泣)

流れるような文章を紡ぎだすafricaさんに そんなこと言われると恥ずかしいです〜
duoさんの謎かけが難しくて分かりません…
Commented by syun368 at 2018-09-01 16:02
duoさん
なおはお馬鹿なので、禅問答が分かりません〜(^^)
Commented by africaj at 2018-09-01 16:04
謎かけ難しい〜。
「出来損ないの入道」はいっぱいイメージできますがw
Commented by syun368 at 2018-09-01 17:57
africaさん
でしょう?
分からない〜
Commented by thesakana at 2018-09-01 18:56
禅問答て・・・あなた方はお二人で結託して、私を年寄り扱いしとりますなwww

わかっていらっしゃるような気がしますが、少々。
外相を務めていた田中眞紀子女史が更迭されるとき小泉純一郎氏に放った最後っ屁、
「スカートを踏んづけられていたので、後ろを振り返ってみると、小泉だった」
ですが、小泉氏は踏んづけっぱなしでしたねww
Commented by syun368 at 2018-09-01 21:14
duoさん
え〜っ その頃って まだお子ちゃまだったから分かりませ〜ん(^^)
Commented by africaj at 2018-09-02 11:41
え~その頃ってまだ生まれてない(ことにする)からわかりませ~ん(爆)
Commented by syun368 at 2018-09-02 12:53
africaさん
あはっ africaさんも私も閻魔さまに舌抜かれちゃいますね〜(^^)
by syun368 | 2018-08-31 19:28 | 今日のひと品 | Comments(16)