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2018年5月◯◯日 鯛

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水を孕んだ空がどんよりと霞んでいる。
まだ雨は落ちてこない。

どくだみ草を嫌う人は多いけれど、これからの雨の季節になんてよく似合った花なんだろうと思う。
薄暗い木陰を照らすように咲く白い群生は、どこか寂しく妖艶である。


春の魚介類はどんどん終わりを告げ、初夏のものへと変わっていく。
自然は正直で、どんな高級魚でも旬を外すと同じ魚とは思えないほど味は落ちてくる。
まだ大丈夫かもと思って仕入れた鯛だったけれど、盛りのきりっとした弾力と旨味に欠けていた。
地元のお客さんは魚の味にはうるさく、そういうお客さんに店も育てられているのだけれど、さて今日の鯛も何とか刺身以外の料理でお出ししなければいけない。


「ママ、鯛はそろそろ終わりかのう」
お品書きの鯛の文字を見つけて小川さんが仰った。
「そうなんですよ。仕入れてみたんですけど今日のお刺身はお気に召さないかと思いますよ」
「そうかぁ。じゃあひと手間かけてもらおうかな」
「りゅうきゅうはいかがでしょう。締めには鯛茶漬けをお出ししましょうか」
「ママに任せるわ。なんか蒸し暑いんでとりあえずビールもらおうかのう」

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りゅうきゅう

刺身を細切りにして少々の味醂、醤油で和え、煎り胡麻、青葱をたっぷり混ぜる。
普通は鯖などの青魚で作り、九州では「りゅうきゅう」と呼ばれている。
名前の由来は諸説あり、利休好みの胡麻が入っているからとか、沖縄の漁師が伝えたからなどと言う人もいるがよく分からない。

締めのご飯は鯛茶漬けにする。
「なお」の鯛茶漬けはお出汁もお茶も使わない白湯である。


今日のひと品

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鯛茶漬け

・鯛は薄切りにする。
・ご飯に鯛、揉み海苔、塩、卸したての山葵をたっぷりとのせ熱い白湯を注ぐ。

これは卸したての生山葵が決めて、チューブの山葵ではこの味は出ない。
生山葵が手に入ったときに是非試していただきたい。



Commented by fran9923 at 2018-05-17 13:00
ああ、おいしそう!!リュウキュウとは懐かしい。
昔九州にいた頃リュウキュウと言ってました。
でも私の記憶ではリュウキュウは里芋の茎。
調べて見たらハスイモの茎とありました。
勿論おさかな料理のリュウキュウも。
面白いですねえ。
Commented by fusk-en25 at 2018-05-17 19:27
アジのたたきも単に「たたき」でなく
胡麻ふって、
こんな名前にしたら洒落ているなあと
想像を膨らませて「tataki」でやってみようかな。。笑。

子供の頃は食べられるものが限られているぐらいの極端な偏食でした。
今は食品に関してはどんなものでも好き嫌い無しに食べられますが。。
形態だけは偏食の尾を引いていて。
今だに白いご飯に汁がかかったものは食べられない。
かやくご飯や混ぜ寿司は克服できて?好きになっているのに。
丼ものやカレー類はご飯とカレーを別皿に持って食べます。笑。
なので。。魚介ののったお茶漬けも食べたことがありません。
この鯛茶を見たら。。食べられないの。。ちょっと残念やな。。


Commented by mary_snowflake at 2018-05-17 19:52
なおさんは、 旬を過ぎたお魚であっても、 粋な一品にされるのですね!
りゅうきゅう、お酒のアテに良いでしょう、今度生まれ変わったら、お酒がのめる私になって、なおさんのお店に行きたいです。
一度、作ってみたい。主人が絶対、喜ぶと思います。
鯛茶漬けも こんなふうに生山葵を使っていただきたいな。いつも御馳走さまです!
Commented by kei-kana38 at 2018-05-17 22:13
こんばんは。
我が家の鯛茶はお出汁をかけるのですが、
なおさんは白湯なんですね。
生の山葵が手に入ったら、作ってみます。
食べてみたいです。

どくだみの花、我が家の庭にもかわいく咲いています。
Commented by syun368 at 2018-05-17 22:40
franさん
九州に縁のある方はりゅうきゅう ご存知ですよね。
お刺身の残り物を使った料理ですが美味しいですよね。

里芋の茎もりゅうきゅうと呼ぶのですか〜
それは知りませんでした。
Commented by syun368 at 2018-05-17 22:47
fusk-enさん
tatakiでりゅうきゅう いいかもしれませんね〜

色んな好みの方がいらっしゃいますが、ご飯とカレーを別々に…なんて初めて聞きました(笑)
混ぜ混ぜが苦手でいらっしゃるのですね。
私は結構 混ぜ混ぜ好きなんです。
特に残り物を混ぜ混んで作る散らし寿司とか、丼ものとか…
一人のお昼はたいてい そんな感じです(笑)
Commented by syun368 at 2018-05-17 22:53
sapphireさん
りゅうきゅうは九州では お刺身の残りを使って作られる郷土料理なんですよ。
お酒のアテにも良いかと思います。
是非ご主人さまに…
卸たての山葵を使ったお茶漬け わが家の定番なんですよ。
Commented by syun368 at 2018-05-17 22:57
kei-kanaさん
美味しいお塩をパラパラッと、卸したての山葵をたっぷり…いつの頃からか、このお茶漬けがわが家の定番になりました。
お出汁もお茶も美味しいのですが、生山葵が手に入った時お試しください。

どくだみ草、匂いが独特ですが可愛いお花ですよね。
Commented by fusk-en25 at 2018-05-17 22:57
PS
混ぜ混ぜが嫌いではなくて。
白いご飯に汁気がかかるの駄目なんです。
卵かけご飯などもってのほか。。笑。
でも今では炊き込みご飯のアサリご飯や里芋ご飯。
焼き鯖ご飯などは嬉々として食べるので。。
自分でもちょっとおかしいとは思うのですが。
子供の頃は太巻きの高野豆腐からおつゆがしみるのも嫌で。
先に具を食べてから海苔に巻いたご飯を食べていました。

Commented by syun368 at 2018-05-17 23:01
fusk-en
もう〜 fusk-enさんの好み面白過ぎです(笑)
Commented by africaj at 2018-05-17 23:54
宇和島の鯛めし食べながら、味付けがリュウキュウと同じなんだなと思ったことがあるので、今回まさになおさんの「鯛のリュウキュウ」に頷きます。鯛も美味しい。
宇和島のは生卵入りですが。

私の鯛茶は銀座竹葉亭真似っこなのでゴマだれきほうじ茶。白湯に塩味、おろし生山葵、想像外でした。粋です!確かに生山葵と塩をアテにってsyunさんに教わったのが本当に美味しかったの覚えてます。主役は生山葵ですねw
Commented by Mchappykun2 at 2018-05-18 00:25
りゅうきゅう、と言うのですか。ハワイのポキなんかもこう言うのが元なんでしょうね。
先日、そういえば、鯛のお茶漬けを食べたい、と思っていたのでした。生山葵の あの香り、なんとも言えないですね。ごくたまに(お正月近く?)生山葵が日本食料品店に並ぶことがあります。夫が蕎麦を打っていた頃は頑張って買いましたが。。。
Commented by syun368 at 2018-05-18 11:28
africaさん
りゅうきゅうを丼にしても美味しいですよね。
そんな感じでしょうか。

卸したての山葵、たまりませんよね。
山葵にお塩を混ぜただけでお酒のアテになるわ〜と盛り上がりましたよね(笑)
Commented by syun368 at 2018-05-18 11:34
Mchappykunさん
ポキと言うのですね。
づけみたいな感じでしょうか。
最近は海外でもお醤油がよく使われるみたいですね。

生山葵 海外ではなかなか手に入りませんよね。
是非 次回ご帰国の際は美味しい卸したての山葵でお酒ご一緒したいですね〜
Commented by NT-patientless at 2019-05-13 18:33
信州て山葵の産地ですやんね?
そやのに私の住んでるとこは生の山葵なんか売ってへんし
売ってるとしても めっちゃ高いんですでぇ
そのくせ「わさびソフトクリーム」とやらには
無駄に山葵を使こたはりますねん
名産地やからて言うて、なんでもかんでも
ソフトクリームとかチョコレートにすんのホンマやめて欲しいわ!
Commented by syun368 at 2019-05-18 01:00
NTさん
えっ 本場なのに山葵 高いんですか〜

そうそう私もそう思います。
それに きっとソフトクリームやアイスに入ってる山葵って まがいもんじゃないかしら…
そんなのなら 入ってないほうが良いですよね😁
by syun368 | 2018-05-17 12:16 | 今日のひと品 | Comments(16)